落伍教師
蛭川幸茂 中林出版 1967年
だれが買った本なのかわからないが、我が実家の本棚にあったこの本を見つけて読んだのはマルヒが高校生の時。
旧制高校界でも指折りの名物教師・松本高のヒルさん自身による回想記。
ヒルさんは八高から東京帝大にすすみ卒業後すぐに松高教授となった。そのとき20歳。松高生460人のうちでヒルさんより年上の生徒が32人いたという。愛情深い筆致で《高等学校精神》を描いてる。学制改革で旧制高等学校がなくなるとき、ヒルさんは小学校の代用教員となった。
数々のエピソードのなかで登場する地元のおばちゃん、おじさんの話し方が純粋な《松本弁》で懐かしい響き。
マルヒをこの趣味に走らせた一冊。
復刻版もでているはず。
《2020/9》
おすすめ度 ★★★★★ 星5個