革命とサブカル

安彦良和 言視舎 2018年

『機動戦士ガンダム』のキャラデザインを担当、漫画家として名をなした安彦良和氏は弘前大学の出身。動乱の60年代末弘前大全共闘の一員として本部封鎖をおこない大学を除籍となった。
安彦氏が在学していた当時のちに赤軍派に加盟し連合赤軍事件に関与した青砥幹夫・植垣康博両氏もまた弘前大学にいた。
本書では前半では青砥氏をはじめとする当時の弘前大の活動家(赤軍派、第4インター、中核派、ノンセクト…)たちの対談が繰り広げられる。東大安田講堂が陥落したのが1969年1月。東大全共闘・山本義隆 日大全共闘・秋田明大を代表とする全国全共闘が結成大会を開いたのは69年9月。この全国全共闘の成立は、しかしすでに全共闘運動は黄昏を迎えていた、といわれる。
 この本を読んで思うのは、弘前大学という辺境にありながら、活動家たちは(セクトを通じてもあったろうが)色濃く中央の闘争とつながっていた、ということだ。
 マルヒが在籍した当時は、東京/中央 と 弘前 は切り離されていたように感じる。

 地方国立大学の学生運動についてくわしくまとめた書籍は少ない。その少ないうちの一冊がわが弘前大学のものであることはどこかうれしいことである。

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《2020/9》

おすすめ度 ★★★★☆ 星4個

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