第九夜 スウィートメモリーズ
84年次4年生の卒寮文集より
Sweet Memories
私より2学年下の寮生が卒業するときに作成した文集からの抜粋です。『Sweet Memories』ちょっとだけ恥ずかしいタイトルがついております。基本的に書いているのはムーチョとミムラの《ダブルオサム》にプラスしてあともう一人であるように思われます。ここに公開してもいいでしょ?問題あるならいってきてちょ。そのときは削除します。
バムセ by (む)
一年の時の運動会で知りあった女の子と始めていった喫茶店がバムセだった。「こんな大切な建物を喫茶店とか下宿とかに使っちゃっていいのかな」なんて思いながらココアを飲んだ。
しばらくしてバムセでキリマンジャロを飲んだ時には、僕は一人だった。酸味が強いキリマンジャロコーヒーは失恋の味がした。
そういえばバムセの落書きノートに卒業した先輩の文章をみつけて「俺は本当は××ちゃんが好きだったんだ」という一文にド肝をぬかれたということがあった。(む)
※マルヒの注※
・八角形(ひょっとすると12角形だったかも)の塔がふたつ並ぶ洋館。もともと市立図書館の建物だったのだが、なんとこの頃、文中で(む)が書いているように喫茶店・下宿屋として使われていた。ここに知り合いが下宿していて、わたしもその八角形の部屋に入ったことがある。弘前市も後で事の重大さに気づいたと見えて、おそまきながら追手門前に移築、いまは博物館として公開されている。内装は、残念ながら下宿・喫茶店当時のものではなく、図書館時代に戻してある。
・「先輩」というのは決してマルヒではない。どうもコツチダのようだが、本人は否定しており真相は藪の中である。
五重の塔 by(ミ)
弘前公園が西の横綱の隆の里なら、五重の塔は、まさに東の横綱の千代の富士である。(こーゆー比喩は、十年後に生きてくるんだよなー)
うーん、やっぱり夕方がいいな。夕焼けの中、子供たちが遊んでいる。ブランコがキーキー音をたててゆれている、なんて感じね。
それから夜。照明の中にスキッと浮かびあがる五重の塔。雪なんかが降っていると、もーー最高!!って感じで、何時間でも見ていられるよ。(ミ)
※マルヒの注※
・「十年後に生きてくる」と(ミ)は書いているが、この文章は84年の3月に書かれたものなので、もうすでに17年たってしまった。。時のたつのは、ほんとうにはやい。
・日本最北の五重の塔。
《2001》
◆…と書いてから19年たっている。時のたつのは、ほんとうに・ほんとうに・はやい。
◆隆の里や千代の富士の取組は寮食堂のテレビで夕食を食いながら歓声を上げて見たことだろう。
◆ミムラは卒業後証券マンとなった。ムーチョによるとあのバブルの時代に忙しい生活を送りながら、きれいに飾られた花屋の店先をみては《ああ、お花屋さんになりたい》っていってたそうな。
◆そんなムーチョはふるさとの岐阜で教師をしている。
《2020/9/11》